移動平均線の見方と使い方

アイキャッチ画像 相場基礎知識

移動平均線(いどうへいきんせん)とは?

移動平均線とは、一定期間の終値の平均価格を線でつないで表示することができるインジケーター(相場分析ツール)のことです。

移動平均線は世界中の多くのトレーダーが使用している定番のインジケーターで、初心者から上級者まで使う信頼性の高いインジケーターの1つです。

インジケーターとは?

相場分析ツールのことで種類もかなり多い。

また、移動平均線と言ったら単純移動平均線のことを指す場合が多いですが、移動平均線は単純移動平均線たんじゅんいどうへいきんせん指数平滑移動平均線しすうへいかついどうへいきんせん加重移動平均線かじゅういどうへいきんせんの3種類があり、始値・終値・安値・高値のどの価格で何本分の平均値に設定するか選んで表示させることができます。

▼チャートに表示させた移動平均線の画像

移動平均線の画像

これは25本分の終値の平均値をつなげた単純移動平均線になります。

移動平均線の見方のポイント

移動平均線は現在の相場が下降気味なのか上昇気味なのか、それが強いのか弱いのかを判断する上でとても役に立つインジケータとなっています。

移動平均線と現在価格の位置

▼移動平均線より現在の価格が下にある場合

相場は下落傾向でこれから価格が下がっていく可能性があると判断できる

▼移動平均線よりも上で価格が推移している場合

相場は上昇傾向でこれから価格が上がっていく可能性があると判断できる

移動平均線の画像

移動平均線の傾き

移動平均線の傾き具合で今の相場の状態を捉えることができます。

移動平均線の傾き相場の状態
緩やかに上を向いている相場は上昇傾向にある
緩やかに下を向いている相場は下降傾向にある
傾きが急で上を向いている相場は急騰している状態
傾きが急で下を向いている相場は急落している状態
傾きがなく方向性がない相場は保合状態にある
移動平均線の画像

移動平均線の乖離(かいり)と戻り

価格が移動平均線から乖離(かいり)、つまり離れて行くと相場は買われすぎ売られすぎと判断され移動平均線に戻される動きになります。どんな相場でも買われ続けられることや売られ続けることは無く、やがて移動平均線に戻ることになります。

移動平均線に戻ったポイントで買い、乖離したポイントで売り取引をすることが多いと思います。

移動平均線の画像

移動平均線の種類

一口に移動平均線と言っても移動平均線には種類があるのでご紹介します。

単純移動平均線(たんじゅんいどうへいきんせん)

主に、移動平均線と言われたらこの単純移動平均線(SMA)を指す場合が多いです。一定期間の特定価格をシンプルに平均化した曲線がチャートに表示されます。多くのトレーダーがこの単純移動平均線を見ながらトレードをしています。

指数平滑移動平均線(しすうへいかついどうへいきんせん)

指数平滑移動平均線(EMA)は直近の価格に比重を置いて計算され、単純移動平均線より相場に早く反応するようにできています。トレンドの転換を早めに察知することができ短期足のトレーダーが使う移動平均線ですが、早く反応する分、ダマしも多くなります。

計算式は以下のようになります。

計算方法は無理に覚えなくてもインジケーターが自動で計算して表示してくれるので参考までに見てみてください。

3日間の指数平滑移動平均線の場合

n日間の指数平滑移動平均線
1日目 = 当日含む、n日の終値の平均
2日目以降 = 前日の指数平滑移動平均線 + a×(当日終値 – 前日指数平滑移動平均)
※ a(平滑定数)= 2÷(n+1)


※ 3日間なので n には 3 を代入して計算します。
2÷(3+1) =0.5

日付終値3日間指数平滑移動平均線
2020/7/15600
2020/7/16610
2020/7/176201日目 (600+610+620)÷3 =610
2020/7/206302日目 610+(0.5×(630-610)) =620
2020/7/216403日目 620+(0.5×(640-620)) =630
2020/7/226504日目 630+(0.5×(650-630)) =640

加重移動平均線(かじゅういどうへいきんせん)

加重移動平均線(WMA)は、指数平滑移動平均線と同様に直近の価格に比重を置いて計算され、単純移動平均線より相場に早く反応するようにできています。加重移動平均線は直近の価格に徐々に比重を置いていくのに対し、指数平滑移動平均線は更に直近の価格に比重を置き、直近の価格に比重を高く反映させています。

計算式は以下のようになります。

計算方法は無理に覚えなくてもインジケーターが自動で計算して表示してくれるので参考までに見てみてください。

5日間の加重移動平均線の場合

[(当日の終値× n)+{前日の終値× (n-1)}+{前々日の終値× (n-2)}+・・・・] ÷{n+(n-1)+(n-2)+(n-3)・・・・}

加重移動平均線の計算式の画像
終値
当日600
1日前610
2日前620
3日前630
4日前640

( 3000 + 2440 + 1860 + 1260 + 640 ) ÷ 15 = 613

まとめ:どの移動平均線を使うべきか?

移動平均線に設定する本数や使用する移動平均線の種類は人によって違います。短期トレードだからと言って必ずしも指数移動平均線や加重移動平均線を使わないといけない訳はありませんし、単純移動平均線でも十分トレードは可能です。

また、設定する本数の参考値として以下のようにできるかもしれません。

期間本数
短期5~25
中期50~75
長期100~200

相場では誰かが言ったからその通りやるというのはあまりよくありません。実際に自分で相場に入って色々と経験を積むうちに見えてくる感みたいなものがあります。移動平均線の設定や種類は実際に相場に入って使ってみて、一番自分に合うものを使うことをお勧め致します。

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